『心象Ⅰ』赤と紫 2020年制作

 

形はなくても心の中に必ず存在する感情が揺れ動いていく感覚。曖昧で抽象的な心象風景を、オーガンジー生地を重ね合わせたタペストリーとして制作した。

 

激しい情動が溢れ出して円形状の波紋となり幾重にも広がっていく”感情の変化”を、生地の波打つような質感と鮮やかな色彩のグラデーションで表現している。

 

心象とは、心の中に思い描いたり、浮かんだり、刻み込まれているもの。体験や感情、感覚によって引き起こされるもの。 正の感情も負の感情も、一雫の心情がこぼれ落ちて幾重にも波紋を広げるように滲んでいく感覚。 『心象I』は情熱・情愛・怒り等激しく表出する情動を、『心象II』は不安・憂鬱・悲しみ等閉じた内面性を象徴している。

 

『心象Ⅰ』(しんしょう いち)
制作年:2020年
材質:ポリエステル・ナイロン
技法:染色・オーガンジー生地の熱加工
サイズ:直径160cm  

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