成安造形大学卒業制作展2019関連イベント【SEIAN COLLECTION2019】より、2分40秒のファッションショー『心層皮腑』を披露した。
ポリエステルやナイロンなどの化学繊維は、色や質感も様々なものがある。
近年ではその進化はめざましく、質の良い生地も多くなり、自由な加工によって多種多様な表現ができるようになった。
化学繊維の進化は科学社会の発展とともにあった。
炎で溶けていく化学繊維は、独特な皺と質感を作り出す。
それは時に環境も身体も蝕んでいく”毒”と危険を孕んでいる。
しかし、化学繊維特有の強く激しい色彩や、
溶けて縮んだ質感は、かえって生々しい肉体と生命の姿を強く訴えかけ、生物としての人間の存在を映し出す。
生命を破滅させる科学の脅威が、皮肉にも自然生物としての人間を浮き彫りにしていく。
そして高度な社会の発展も、人間の精神性を脅かすと同時に、人間の精神的本質も浮き彫りにしていく。
この世界の発展がもたらした毒は”私”そのものも蝕んでいく。
巨大な社会の事象に飲み込まれ、自らを見失いそうになる。
自ら考え、感じ、心動かす時、私たちは精神と身体に何を刻むのだろう。
それは心も身体もゆがめてしまうのだろうか?
どんな感情・精神・生命が内から表出してくるのだろうか?
身体が社会の中でうごめいている。人間が忘れていた人間性を呼び覚ますように
それを肉体の外に描き表してしまいたい。
成安造形大学卒業制作展2019関連イベント【SEIAN COLLECTION2019】 2019年2月21日 1st:13:30〜 2nd:17:30〜 京都文化博物館 別館ホール
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